野鳥がもっと大きく撮れる一眼デジスコ

デジタル一眼レフではじめる超望遠撮影

Vol.2 野鳥を画面に収めるには

野鳥を撮りたいと思っても 鳥の姿を見つけられなければ、 撮ることはできません。 そこで、野鳥を見つけるコツと 「一眼デジスコ」ですばやく姿を捉え、 確実に撮るポイントを紹介します。

鳥は声を頼りに探し、双眼鏡で位置を確認する


  • 体が小さく、白と黒のツートンカラーが愛らしいヒガラ。林の中を枝から枝へと、すばやく移動するため狙いどおりの瞬間を捉えるのは難しい(撮影/叶内拓哉)

  • さえずる声が聞こえたら、双眼鏡で声がした方向を探します。鳥の習性がわかって来ると、木の幹にとまっているのか、枝か、木のてっぺんか、水辺なのか、探す場所が絞られ、すばやく見つけられるようになります

  • 双眼鏡で鳥の姿を捉えたら、そこが木のどの部分なのか、すばやく把握することが肝心です。幹や枝の形、背後の木などを目印に、野鳥がとまっている場所を特定しましょう

「一眼デジスコ」という強力な撮影アイテムが揃ったら、
次は野鳥を見つけ、撮影を始めてみましょう。

まず、野鳥のいる場所へ着いたら、
いつでも撮影できるよう三脚を立て、「一眼デジスコ」をセットします。
鳥を見つけてから、カメラをセットしていては、逃げてしまうので、
いつでもシャッターを切れるように準備をした状態で鳥を探します。

撮影の指導をしていただいた野鳥写真家の叶内拓哉さんも、
現地に到着したら、三脚の脚を伸ばし、
自分の顔の高さの位置に一眼デジスコをセットし、
肩に担ぐようにして撮影ポイントまで移動します。

野鳥を探すときは、耳と目をフル活用します。
木立の奥から聞こえてくる鳴き声を頼りに、
その方向の木の幹や枝などにとまっていないか、双眼鏡で探します。
水辺の鳥は、あまり鳴かないので、
湖面や波打ち際を双眼鏡で丹念に探します。

鳥の姿を見つけたら、その場所がどこなのか、
木の幹や枝、葉の形、色、背後の木などを目印に場所を特定します。
鳥がいる場所がわかったら、「一眼デジスコ」をその方向に向け、
ファインダーをのぞきながら、鳥がとまっている画面に収めます。

Page Top

鳥の姿が画面に入ったらまず1枚

少しずつ近づきながらシャッターを切る
鳥を見つけたら、その場で構えて1枚撮る
鳥が逃げなければ、少し近づいて1枚撮る
さらに近づいて大きく撮る(※写真はイメージです。撮影/叶内拓哉)

「ファインダーの視野に鳥の姿が入ったら、
ピントを合わせ、まず1枚撮るようにします」と
アドバイスしてくださった叶内さん。

野鳥を撮るならば、少しでも大きく撮りたいと誰しも思いますが、
画面に鳥の姿が収まったら、まず1枚撮ることが重要だそうです。
大きく撮ろうと1歩近づいた瞬間、飛んでしまうかもしれません。
小さくても、写真に鳥の姿が写っていることが大切なのです。

1枚撮って、鳥が逃げないようであれば、1歩近づいて1枚。
まだ、逃げなければ、さらに近づいて1枚、と撮れば、
1枚も撮れずにガックリ、という事態は避けられます。

ピントは耳羽(ジウ)に合わせるのがコツ


  • 黒々としたひとみにピントを合わせると、体の部分の羽がボケてしまうことがある。そこで、目の後方にある耳羽のあたりにピントを合わせるようにすると、胸の部分の羽がクッキリ写り、好ましい写真になる。写真はトラツグミ(撮影/叶内拓哉)

生き物を撮るとき、「ピントは目に合わせる」とよく言いますが、
叶内さんにうかがうと、「野鳥の場合は、目の後方の耳毛(ジウ)に
ピントを合わせるようにする」と良いそうです。

目にピントを合わせると、クチバシや目など、顔がクッキリ写りますが、
アップで撮る場合、体のほうはボケてしまうことがあります。

そこで、目の位置よりも若干奥寄り、
ちょうど耳羽のあたりにピントを合わせると、顔だけでなく、
胸の羽までクッキリ写るようになります。

Page Top

移動時は三脚の脚を閉じて担ぐ


  • 三脚の脚を開いたまま移動すると危険(左写真)。脚を閉じ、前方に向けて担ぐようにすると(右写真)、鳥からは三脚と人間のシルエットが重なり、警戒心を抱かせずに済む

移動しながら撮影する場合、三脚の脚は伸ばしたまま、
一眼デジスコもセットされたまま肩に担ぐことになります。
そのとき、脚を広げたまま移動する方を見かけることがあります。

狭い山道や木道を脚を広げたまま移動するのは迷惑になりますし、
木の幹や枝、柵などに脚を引っ掛けることもあり非常に危険です。
三脚の脚を閉じて移動することは、マナーの問題でもありますが、
野鳥に警戒されないためにも必要だと、叶内さんはおっしゃいます。

野鳥は長い棒状のものを警戒する習性があり、
脚を広げたまま鳥に近づくと、逃げてしまいます。
三脚の脚は閉じ、鳥から見て、体の影から脚がはみ出さないように担ぐと
警戒されずに近づけるようになります。

Page Top

野鳥の選び方